核爆発の際の放射線の性質と核攻撃に遭遇した際の正しい行動

核爆発の際の放射線の性質を正しい方向で知る

放射線のタイプ 

核放射線は、3種類の主要な放射線を含んでいる。  

・アルファ線 

紙、あるいはヒトの皮膜によって遮ることができる。アルファ粒子が吸入されるか、口から摂取されるか、あるいは傷などを通して体内に入った場合、組織と細胞に損傷を引き起こすことがあり得る。 ・ベータ線 

皮膚、あるいは、より厚いシールド(木のような)で止めることができる。吸入されるか摂取された場合、ベータ粒子が内臓に重い損傷を引き起こすこ可能性がある。また、目の損傷や皮膚に火傷を引き起こすことがある。  

・ガンマ線 

ガンマ線はもっとも危険で、人間の体の全身を透過することができ、体内のあらゆる器官と血液、骨を通して全身の細胞に損傷を与える可能性がある。放射線は神経細胞を刺激しないので、放射線が体に吸収されても、何らかの感覚を感じることはない。高水準のガンマ線に晒された場合は放射線障害に陥るか、あるいは死に至る。ガンマ線を遮断して身を守るためには、暑く遮断されたシェルターが必要となる。

つまり、

・アルファ線 → 皮膚の皮で遮られる。

・ベータ線 → 皮膚で遮られる。

目と鼻と口を守ることが繰り返し出てきたのは、目は皮膜に守られていないためと、口と鼻の中も皮膜で守られていないことに加えて、口と鼻を覆っていないと、呼吸などと共に内臓に放射線が入るからだ。特にアルファ線などは簡単な防御で遮られるので、口と鼻を覆うことを侮ってはいけない。

・ガンマ線 → ガンマ線は、いろいろなものを透過していく性質を持つので、現実にはそう簡単には遮断できない。核シェルターというものが必要になる。

ちなみに、どんな状況でも「完全な爆心地にいた場合」は、対処も何もあるわけもなく、ここにあるのは「そうではない場合」。


ガンマ線に対しての保護係数( 1/1000)

アメリカのサイトの「核放射からの防御」(Nuclear Radiation Shielding Protection)に、書かれてある保護係数を使った保護能力を紹介しておこう。

・鉛 10センチメートル 

・鋼 25センチメートル 

・コンクリート 60センチメートル 

・土 91センチメートル 

・水 182センチメートル

・木材 279センチメートル 

ということで、ここで現実的なのは「地下」(土の中にあるため)と、あるいは、分厚いコンクリートの壁があるビルなどの建物も、窓だらけでないのならば、それ自体ある程度のシールドになると言える。

家族で事前に情報交換しておくべき。


核の脅威 

核爆発は、激しい光と熱、有害な圧力波と広範囲の放射性物質を伴う爆発であり、その影響で大気や水、そして土地を数キロ以上に渡って汚染する可能性がある。

核事象が起きた場合についてのアドバイスとして、世界保健機関(WHO)などが提唱する以下を念頭において行動する事を推奨する。 

核爆発が発生した場合にその近くにいた時 

・目を傷つけないように目を伏せて閉じる。

・顔を下向きにして地面に伏せ、体の下に手を置く。

・熱と2つの衝撃波が通過するまでその姿勢のままでいる。

爆発の時に屋外にいた場合

・スカーフ、ハンカチ、その他の布など口と鼻を覆うものを見つけ、覆う。

・換気された場所で衣服をブラッシングし、衣類のほこりを取り除く。重要なのは、これをしている間、口と鼻を必ず覆うこと。

・避難所、地下室、または他の地下に移動する。好ましくは、風が吹いている方向から離れる。

・衣類は汚染されている可能性があるため、脱ぐ。 可能であれば、避難所に入る前にシャワーを浴び、髪を洗い、衣服を交換する。

すでに避難所または地下などにいる場合 

・爆発による煙が通過したことがわかるまで、口と鼻をスカーフやハンカチなどで覆う。

・換気システムを遮断し、ドアや窓を密閉する。 煙が通過した後、ドアや窓を開けて空気が循環できるようにする。 

・当局が安全だと言うまで避難所や地下内部に留まる。

・情報とアドバイスについては、地元のラジオやテレビから得る。 当局は、避難所に滞在するか、より安全な場所に避難するかを指示する場合がある。

・外出する必要がある場合は、湿ったタオルで口と鼻を覆う。

・貯蔵された食べ物と飲料水を使用すること。水道水は飲まない。

・傷がある場合、その傷口をきれいに洗う。 

避難勧告を受けている場合

・テレビやラジオ、インターネットで、避難する時間、使用する経路、一時的な避難所、従う手順について公式のニュースと指示を確認する。

・退室する前に、窓やドアを閉じてロックし、空調、通気孔、ファンを止める。

・避難する時は小さな旅行バッグ(Go Bag)を持っていく。

この中で、「口と鼻を覆う」と何度も書かれているが、実は大変重要なことで、それらの理解と補足として、まず「放射線のタイプ」を読んでそれぞれ補足のこと。


屋内での臨時のシェルター化

もし爆発までに時間があるのなら、被害を最小限に留めるため、どれでもいいので以下の行動を伴って非難すべし。

1. 適当な場所に、大きくて頑丈な作業台かテーブルを置く。テーブルがない場合、箱や家具の上にドアなどを置いてテーブル状のものを作る。

2. テーブルの上と横にできる限りの遮断物を積む。それは、家具、キャビネット、電気機器、本などが詰まった箱、埃や砂を詰めた枕、食べ物の詰まった段ボール、水、コンクリート、ブロックなど。これを回りを取り囲むように置いていく。

3. 作業がある程度終了したら、そこにいる全員がただちにテーブルの下に入り、内部から密閉する。

4. 中から空気を入れるための10センチ程度の小さな空気穴を2つ残すか、ない場合は開ける。穴は両サイドに、ひとつは高い位置に開け、もうひとつは低い位置に開けることによって、空気の流れが良くなる。

5. この簡易シェルターには、放射線発見装置とラジオ、携帯電話、数日分から数週間分の水と食料、そして薬や公衆衛生用品を入れること。

そして、一般のシェルターにしても、こういう臨時のシェルターにしても、「いつ出ればいいのか」ということが問題なのだが、実は核兵器から出される放射能の性質から考えて、その期間は意外と短い。

ちなみに、どんな状況でも「完全な爆心地にいた場合」は、対処も何もあるわけもなく、ここにあるのは「そうではない場合」。


いつ出ればいいのか

セブン-テン・ルール(“seven-ten” rule)- 放射線の量は7時間ごとに10倍ずつ減少する

その期間の参考のために、「セブン-テン・ルール」というものを書いておきたいと思う。

約2日間、何とか凌げれば、その後は少なくとも放射線からの脅威は大幅に減っているはず。

核爆発の後、放射線の量は7時間ごとに 10倍ずつ減少する。

たとえば 500ラドのレベルは7時間で 50ラドまで下がり、そして2日後(49時間後)には 100分の 1の 5ラドまで減少する。  

良いシェルターを持っているのなら、そこで 7- 14時間じっとしていれば生き残る可能性が高くなる。

いつの日か、世界のどこかで、あるいは世界中でそういう事態を迎える時が来たとしても、最初からあまり悲観的にならずに、「放射線というものの性質と理屈」をある程度理解して、冷静に対処する事をお薦めしたい。現実の対処には怒りも恐怖も悲嘆も不要なものであり、焦って何も手を打たずにいるより生きるために何をすればいいか知って行動しよう。あなた一人の行動で何人もの人が助かるかも知れない。


攻撃への備え方(グアム国土安全保障・市民防衛室)

核攻撃を念頭に置いた2ページの対応指針

ちなみに グアム国土安全保障・市民防衛室が12日までに、核攻撃を念頭に置いた2ページの対応指針をインターネット上に公開した。(CNN) 

攻撃への備え方や、実際に攻撃があった場合の対応を住民に通知するもので、具体的な内容となっているので紹介しておこう。

・自宅や職場、学校付近でシェルターになりそうなコンクリート製の建物のリストを作成しておく。

・失明の恐れがあるため、閃光(せんこう)や火の玉は見ない。

・爆発の際は地面に伏せて頭を覆う。爆発地点から少し距離がある場合は、衝撃波が来るまで30秒以上かかることもある。 

・可能であれば、石けんや水を大量に使ってシャワーを浴びる。ただし、皮膚をこすったりひっかいたりしてはいけない。

・放射性物質が髪に固定しないようコンディショナーの使用は控える。

・他にも飲料・食品・薬の備蓄は最低7日分など。

その他の対応も含め、文書は同室のホームページやフェイスブックで具体的に公開されている。


日本政府はなすすべもなく

グアムは、日本政府よりも具体的で素早い対応だといえる。

日本政府の後手後手対策は今に始まったことではないが、もし、手違いでミサイルが被弾したとしても、日本政府はなすすべもなく手をこまねいて見過ごすだけなのではないか。

官房長官あたりが、日本の被害について「遺憾です」などと声明を出すのが関の山かも知れない。

攻撃されたとしても、報復することはもとより非難することすら出来ず、声明を出したとしても及び腰で、臆病者の日本政府であるから、期待したりはしない。

選んだのは国民なのだから、仕方がない。

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