北朝鮮は妥協しない「ソウルも米国も日本も火の海に」

究極のチキンレース 

過激な発言で北朝鮮を煽っているトランプ大統領だが、一人チキンレースをしているに過ぎない。

というのも、アメリカの北朝鮮への攻撃は、トランプ大統領が合理的に判断し、米軍がそれを確実に実行する力があるかにかかっているからだ。

朝鮮半島にある米軍を避難させる準備ができてないのだ。そう、軍人とその家族を含めると200万人の避難が必要になり、そのためには、2か月近くの時間を要するとの試算が出ている。

グアムが攻撃されたとしてアメリカが報復に出て、北朝鮮の政権を崩壊させたとしよう。後始末が大変なのだ。

北朝鮮国の3000万人弱の生活、約100万人の軍人の武装解除、核兵器及び関連施設の解体を、米国の責任で実施するのは困難である。

また、同盟国や極東の米軍基地をリスクにさらす可能性を考慮すると、北朝鮮との戦争は限定的なものと考えるのが無難だ。


どこまでもアメリカ頼みの日本

日本にとって北朝鮮のミサイルはもはや迎撃できるレベルのものではなく、日本のどこかに落ちても仕方のないレベルでの防衛でしかない。物陰に隠れたり、低い姿勢をとって、飛んでくる障害物をかわす程度の避難しか指示できないのである。せめて北朝鮮のミサイルが飛んでくるであろう時間を察知し、外に出ないようアナウンスするくらいの事ができないものなのか。

着弾した後、〇〇の海域に着弾しましたと官房長官からの発表があるがそんなものは国民にとって、何の役にも立たない。

日本は既に北朝鮮の核兵器(とミサイル)の射程内内にあり、北朝鮮のICBMの射程が米国を捉えるように延びたとしても、軍事的に大きな変化はない。 せいぜい上空を飛ぶであろう地域にPAC-3を配備するのが関の山である。 


北朝鮮が戦略する策動

2017年7月28日未明には、北朝鮮が再びロフテッド軌道でミサイル実験を行い、約45分間飛翔した後に日本海の日本のEEZ(排他的経済水域)内に着弾したことを受け、国連安全保障理事会は、8月5日に北朝鮮からの石炭や海産物などの輸出を禁ずる経済制裁決議を成立させた。  

ロフテッド軌道によるミサイル発射は、北朝鮮のICBM開発を国際社会に示威するもので、直接的には米国に対する最小限抑止(戦略的抑止能力まで持たないにしても、最小限のミサイル投射能力を利用した抑止)に近づいていることを証明することになった。  

核兵器の投射が可能かどうかは、ミサイルの能力に加え、核弾頭の小型化や、起爆装置の開発、再突入能力の開発(7月の実験は、この能力を試す目的もあったと推察される)、軌道計算などが重要な要素となる。 北朝鮮は今後も実験を繰り返し、核投射能力の完成を目指すであろう。 


米国も「火の海」になるリスク 

北朝鮮が米国に到達する核能力の取得の可能性を証明したことで、北東アジア各国の戦略計算も今後変わることになる。  

米国は、圧倒的な打撃能力(核兵器及び通常兵器)を背景に、北朝鮮に対して軍事・政治的圧力をかけ、同盟国(既に北朝鮮のミサイルの射程内にある日本と韓国)からの支援要請に選択的に対応することが可能であった。  

だがここにきて、北朝鮮のICBM能力が向上し、米国本土が射程内に入るということになると、米国の政治経済の中核を標的にしたものでは無いにせよ、米国内の警戒感は一気に高まる。    

米国は同盟国である日韓両国と三カ国の協力体制を強化し、安全保障上の関与を確証することでリスク管理する必要性が出てくる。  


北朝鮮問題の解決方法 

朝鮮半島の将来の統治形態を巡る問題から考える必要がある。

半世紀以上続く朝鮮半島の分断状況を解決する上で、半島に二つの主権国家の設置によって分断状況を終息させるのか、それともどちらか(韓国と北朝鮮)に吸収統一させるのか、または両者の合意の下に「統一朝鮮」を作るのか、という問題解決の方法である。  


北朝鮮は妥協する必要がない  

北朝鮮が米国に対して最小限抑止を確保することは、朝鮮半島問題の解決に大きな波乱要素となる。 オバマ政権の時代に検討され、トランプ政権においても時折浮上した、北朝鮮の核保有を承認し、今以上の核開発を禁止に関する合意を取り付け、対立状況を緩和した後に核放棄の交渉を行うという計画が暗礁に乗り上げる公算が大きい。  


北朝鮮政策のこれから  

国家としての北朝鮮と金正恩は別に考えてみてはどうだろう。

北朝鮮が最小限抑止を目的にミサイルに固執するのであれば、その原因となっている「金正恩」の存在が問題だといえる。

核も大量破壊兵器もミサイルもアメリカにとっては最重要問題であるが、それよりもアメリカに攻撃を向けられることが、見過ごすことのできない事案となっている。

アメリカは、ウサマビンラディンをパキスタンで殺害した時のように、北朝鮮という国よりもターゲットは金正恩に絞っている。アメリカに手出しをすれば、大義名分のもと、ウサマビンラディンと同じ道を歩むしかなくなる。

そうならないことを願っている。

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